クレマチス (NHK趣味の園芸12か月栽培ナビ(4))について
単行本(ソフトカバー)金子 明人
つる植物の女王・クレマチスをたくさん咲かせる!
ガーデニングに欠かせない植物・クレマチス。多数の系統があるが、本書では開花習性に着目して、「切るクレマチス」と「切らないクレマチス」に大別。一番の悩みどころである剪定方法をわかりやすく解説し、花をたくさん、何度も咲かせることを可能にする。新品種を含めたおすすめ品種も多数紹介。
クレマチス (NHK趣味の園芸12か月栽培ナビ(4))口コミ
説明がわかりやすかった
自分の間違いを探す意味でも買って良かったです
クレマチスは分類が難しく、これまでの趣味の園芸のクレマチス本も分かり難かった。今回は著者が違うので分かりやすくなったことを期待して買ったが、やはり難しい。この本は切る切らないで2分類しているが、自分の持っているのが二分法のどちらに属するのか良く分からないから、前の杉本さんの本の方が却って分かりよいように感じた。
金子先生の新枝咲きや旧枝咲きの指摘は大変ためになります。
そのほかにも系統によっての違いが良く分かるように書かれています。
少し残念なのは私は札幌に住んでいるので、おおざっぱでいいのですが
その地域の生育方法も書いてほしかっですね
金子先生は毎年クレマチスを100本近く植えている苫小牧のお庭を、
見に来ているので、北海道のクレマチスにも詳しいと思いますので。
植え付けの注意などとても分かりやすくて良かったです。
剪定のやり方がイラストで描かれていたので、とても参考になりました。
金子先生はクレマチスのことならお任せなので 安心して読めます。そして とても分かりやすくて クレマチスを育てるのに役立ちます。この本を時々確認しながら 育てています。
クレマチスについて
クレマチスは、キンポウゲ科センニンソウ属に分類されるつる性植物で、その優雅で美しい姿から「つる性植物の女王」と呼ばれています。春から初夏にかけて、時には秋にも、色とりどりの華やかな花を咲かせ、多くのガーデナーを魅了します。その魅力は、品種の多様性、育てやすさ、そして庭を立体的に彩る独特の姿にあります。
クレマチスの歴史と多様な種類
クレマチスの歴史は古く、ヨーロッパやアジアを中心に、古くから愛されてきました。園芸家による品種改良が盛んに行われたことで、現在では300以上の原種と、数千にも及ぶハイブリッド品種が存在します。
1. クレマチスの主な系統
クレマチスは、その剪定方法や開花時期によって、いくつかの系統に分けられます。この系統を理解することが、栽培成功の鍵となります。
- 旧枝咲き系:
- 前年の夏から秋にかけて伸びた枝に花芽をつけ、翌春に花を咲かせます。
- 代表的な品種はモンタナ系など。
- 剪定は、花後に行う弱剪定が基本です。強く剪定しすぎると、花芽を切ってしまうため、その年は花が咲きません。
- 新枝咲き系:
- その年に新しく伸びた枝に花芽をつけ、初夏から秋にかけて花を咲かせます。
- 代表的な品種はジャックマニー系など。
- 剪定は、冬の間に強く切り戻す強剪定が可能です。これにより、樹形を整え、翌年の花つきを良くします。
- 新旧両枝咲き(四季咲き)系:
- 新しく伸びた枝と、前年の枝の両方に花をつけます。
- 代表的な品種はフロリダ系など。
- 春の花後と、冬の芽出し前に行う、二段階の剪定が基本です。
栽培方法:成功の鍵は「水やり」と「剪定」
クレマチスは、いくつかのポイントを押さえれば、初心者でも元気に育てることができます。
1. 植え付け
- 時期: 植え付けの適期は、春(2月〜4月)か、秋(9月〜11月)です。
- 場所: 日当たりと風通しの良い場所を選びましょう。クレマチスは根が弱いので、鉢植えの場合は、根鉢を崩さないように植え付けるのがポイントです。
- 「頭寒足熱」の原則: クレマチスは、地上部は日光を好みますが、根は高温や乾燥を嫌います。そのため、株元を直射日光から守るために、マルチング材を敷いたり、株元に下草を植えたりすると良いでしょう。
2. 水やり
- 鉢植え: 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。特に生育期や開花中は、水切れに注意が必要です。
- 地植え: 根が張れば、基本的に水やりは不要です。ただし、夏の極端な乾燥が続く場合は、朝の涼しい時間帯に水を与えます。
- 過湿は厳禁: クレマチスは多湿に非常に弱く、根腐れを起こしやすいので、水のやりすぎには十分注意しましょう。
3. 肥料
- 生育期: 春の芽出しから開花期にかけて、定期的に液体肥料を与えます。
- 植え付け時: 植え付けの際に、元肥として緩効性化成肥料を少量施すと良いでしょう。
剪定の重要性:美しい花を咲かせるために
クレマチスの栽培において、最も重要で、かつ難しいと感じられやすいのが剪定です。しかし、剪定を正しく行うことで、毎年美しい花を咲かせることができます。
1. 剪定の基本
剪定には、花首だけを切る「弱剪定」と、株元から数節残して強く切り戻す「強剪定」があります。どの剪定を行うかは、前述した系統によって異なります。
2. 系統別の剪定方法
- 旧枝咲き系:
- 花が終わった直後に、花首から第一節あたりで剪定します。強く切り戻してしまうと、翌年の花芽を切ってしまい、花が咲かなくなります。
- 新枝咲き系:
- 花が終わった後、または冬の間に、株元から数節残して強く切り戻します。これにより、春に新しい枝がたくさん伸び、花つきが良くなります。
- 新旧両枝咲き系:
- 春の花が終わった後に弱剪定を行い、次の開花を促します。冬の間に強剪定を行うこともできますが、その場合は翌年の花が少なくなることがあります。
病害虫とトラブル対策
クレマチスが健康に育つために、病害虫の対策も欠かせません。
- 立ち枯れ病: クレマチスに最も多い病気で、株元から急に枝が枯れてしまう病気です。水はけを良くし、株元を清潔に保つことで予防します。
- アブラムシ: 新芽や蕾にアブラムシがつくことがあります。見つけ次第、薬剤を散布するか、牛乳を薄めたスプレーなどで対処しましょう。
クレマチスの楽しみ方
- ガーデニング: 絡みつく性質を活かし、フェンスやアーチ、オベリスクに這わせることで、庭を立体的に彩ります。特にバラとの相性が良く、一緒に植えることで、お互いの美しさを引き立て合います。
- 鉢植え: 鉢植えでも十分に楽しむことができます。ベランダや玄関先に置けば、空間を華やかに彩り、見る人に癒しを与えます。
- 切り花: 美しく咲いた花を切り花として、部屋に飾るのもおすすめです。
まとめ
クレマチスは、その優雅で美しい花と、多岐にわたる品種、そしてつる性というユニークな特性から、多くのガーデナーに愛され続けています。
栽培には、水のやりすぎに注意すること、そして系統に合わせた適切な剪定が不可欠ですが、その少しの手間をかけることで、見返りとして毎年、息をのむほど美しい花を咲かせてくれます。クレマチスは、庭やベランダを華やかに彩るだけでなく、私たちの心にも喜びと癒しを与えてくれる、まさに「つる性植物の女王」にふさわしい存在と言えるでしょう。