ドクウツギ:詳細・その他
基本情報
科・属
- 科:ドクウツギ科
- 属:ドクウツギ属
学名
Coriaria japonica
和名
ドクウツギ
別名
オンコ、アブチ、クサイチゴ、ツノツケ、ヨモギツツジ、オボロツツジ、ヨメナツギ、ツルコマツナギ、アケビイチゴ、ウマノスズメ、ドクスケ、ヘビイチゴ、ツヅリバ、ヨメナツギ
原産地
日本、朝鮮半島、中国
生育環境
日当たりの良い山野、海岸の岩場、林道沿い、荒れ地など。比較的乾燥した場所を好む。
形態
落葉低木。高さは1〜2メートルほどになる。茎は直立し、よく分枝する。葉は対生し、長楕円形または卵状披針形。長さ5〜10センチメートル、幅2〜4センチメートル。縁は全縁。春に淡黄緑色の小さな花を穂状につける。秋に熟すと、赤紫色から黒紫色の液果(偽果)をつける。この液果は、本来は花托が肥大したもので、中に種子が入っている。
開花期
4月〜5月
果実期
8月〜10月
特徴と生態
毒性
ドクウツギの最も特筆すべき点は、その強い毒性である。植物全体に毒成分であるコリアミルチンを含んでおり、特に果実(種子)に高濃度で含まれる。誤って摂取すると、中枢神経系に作用し、痙攣、嘔吐、下痢、腹痛、呼吸麻痺などを引き起こし、重篤な場合は死に至ることもある。果実の形状が美味しそうなベリー状であるため、子供が誤って口にすることがないよう、細心の注意が必要である。また、動物もこの植物を避ける傾向がある。
花
春に咲く花は、目立たないが、集まると穂状になる。色は淡い黄緑色で、風媒花である。
果実(偽果)
秋に熟す液果は、直径1センチメートルほどの球形。最初は緑色だが、熟すと鮮やかな赤紫色から黒紫色に変化する。この液果は、本来は花托が肥大したもので、中に堅い種子が1〜2個入っている。見た目は食用になりそうだが、絶対に口にしてはならない。
繁殖
種子繁殖が主である。果実が熟すと鳥などが果肉を食べ、種子を散布することが考えられる。また、地下茎でも増えることがある。
分布域
日本国内では、本州、四国、九州に広く分布している。国外では朝鮮半島、中国にも分布する。
利用と注意点
薬用
かつては、その毒性を利用して、稀に薬用(駆虫薬など)として用いられたという記録もあるが、現代ではその毒性の強さから薬用としての利用は一般的ではない。
その他
一部地域では、その独特の形状から鑑賞用として栽培されることもあるが、毒性があるため、家庭での栽培は推奨されない。
まとめ
ドクウツギは、その美しい果実とは裏腹に、植物全体に強い毒性を持つ危険な植物である。特に、子供やペットがいる環境では、誤食による事故を防ぐために、その存在を認識し、注意深く管理する必要がある。生育環境は比較的多岐にわたり、身近な場所で見かける可能性もあるため、この植物の毒性について正しい知識を持つことが重要である。見た目の美しさに惑わされず、その危険性を理解し、安全な環境を保つように心がけたい。
「ドクウツギ」という名前の由来も、その毒性が「毒」であることを示唆しており、注意を促すものである。
