ジュズダマ

ジュズダマ(数珠玉)

基本情報

  • 科名・属名

    イネ科ジュズダマ属

  • 和名

    ジュズダマ、数珠玉、連銭草(れんせんそう)、痤瘡草(ざそうそう)、帰来子(きらいし)

  • 学名

    Coix lacryma-jobi var. ma-yuen

  • 英名

    Job’s tears

  • 原産地

    東南アジア、インド

  • 形態

    一年草

  • 草丈

    50~150cm

  • 開花期

    夏(7月~9月頃)

  • 花の色

    淡緑色(目立たない)

  • 実(果穂)の色

    白、青、黒、茶色など多様。光沢のある硬い

  • 花言葉

    「永遠の悲しみ」「変わらぬ関係」「無心」

特徴

ジュズダマは、イネ科に属する一年草で、そのユニークな果穂(かほ)が最大の特徴です。一般的に「実」と呼ばれる部分は、実は「苞(ほう)」が硬く発達したもので、光沢があり、まるで数珠玉のような形状をしています。このため、「数珠玉」という和名が付けられました。色も白、青、黒、茶色と多様で、コレクションするのも楽しい植物です。

草姿と生育

ジュズダマは、イネ科らしく、まっすぐに伸びる茎と細長い葉を持ちます。草丈は50cmから150cm程度になり、品種によってはさらに大きくなることもあります。夏になると、目立たないながらも淡緑色の花を咲かせます。その後、受粉が成功すると、特徴的な数珠玉状の果穂が形成されます。

果穂の多様性

ジュズダマの果穂の形状や色は、品種によって大きく異なります。一般的な「数珠玉」と呼ばれるものは、丸く滑らかな形状で、白や淡い青色をしています。一方、「ハトムギ」として知られる品種は、より細長く、茶色や黒っぽい色をしており、食用にもされます。この果穂の硬さと光沢は、古くから装飾品として利用されてきました。

栽培

ジュズダマは比較的育てやすく、日当たりの良い場所と水はけの良い土壌を好みます。種まきは春に行い、発芽したら適度に間引きながら育てます。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。寒さには弱いので、霜が降りる前には収穫するか、室内で管理する必要があります。

利用方法

装飾品として

ジュズダマの果穂は、その美しさと硬さから、古くから装飾品として利用されてきました。ネックレス、ブレスレット、ストラップなどのアクセサリーの素材として人気があります。また、魔除けやお守りとしても用いられることがあります。

食用として(ハトムギ)

ジュズダマの変種であるハトムギは、食用として世界中で栽培されています。大粒で栄養価が高く、お米に混ぜて炊いたり、スープに入れたり、お茶として飲んだり、化粧品原料としても利用されます。美肌効果やむくみ解消効果が期待できるとされています。

薬用として

伝統医学では、ジュズダマ(またはハトムギ)は薬用としても利用されてきました。利尿作用や解毒作用があるとされ、むくみや関節痛の緩和、皮膚疾患の改善などに用いられることがあります。ただし、薬として使用する際は専門家の指導が必要です。

ジュズダマにまつわる伝承・文化

ジュズダマには、古くから様々な伝承や文化が結びついています。その名称の由来である「数珠玉」は、仏教の数珠に使われる玉に似ていることから来ており、宗教的な意味合いも含まれています。

「ヨブの涙」の由来

英名の「Job’s tears」は、旧約聖書に登場する義人ヨブ(Job)が流した涙が固まってできたもの、という伝説に由来します。ヨブは、神の試練によって財産や子供、健康をすべて失いましたが、神を呪うことなく忍耐し続けた人物として知られています。その悲しみや苦しみ、そしてそれを乗り越えた強さが、ジュズダマの涙のような実(果穂)に重ね合わされたと考えられています。

各地の民俗

アジア各地では、ジュズダマは単なる植物としてだけでなく、魔除けやお守り、豊穣のシンボルとしても捉えられてきました。収穫祭で飾られたり、家屋に吊るされたりする風習も見られます。また、その実の硬さと形状から、子供たちの遊び道具や楽器の素材としても利用されてきました。

学名の意味

学名のCoixは、ギリシャ語の「coix」に由来し、これは「ヤシ」を意味すると言われています。一方、lacryma-jobiはラテン語で「ヨブの涙」を意味し、英名の由来とも重なります。

まとめ

ジュズダマは、そのユニークな数珠玉状の果穂、食用や薬用としての利用、そして古くから伝わる興味深い伝承を持つ、魅力的な植物です。観賞用としても、実用としても、私たちの生活に多様な形で関わってきました。一見地味ながらも、その実(果穂)には、自然の神秘と人間の歴史が凝縮されていると言えるでしょう。栽培も比較的容易なため、ご家庭でそのユニークな姿を楽しむのもおすすめです。ハトムギとして食卓に馴染み深い存在である一方、装飾品としての側面も持つ、多面的な植物なのです。