シロバナユウゲショウ:詳細・その他
基本情報
分類と名前の由来
シロバナユウゲショウ(Oenothera speciosa var. albiflora)は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草です。一般的に「シロバナユウゲショウ」と呼ばれることが多いですが、原種であるユウゲショウ(Oenothera speciosa)の白色花品種にあたります。ユウゲショウは「夕化粧」と書き、夕方に花を咲かせることに由来しますが、シロバナユウゲショウも同様に夕方に開花することが特徴です。しかし、日中も咲いていることが多く、その美しい姿から「天使の舞」とも称されることがあります。
原産地と分布
原産地は北アメリカ、特にアメリカ合衆国南西部からメキシコにかけての乾燥した草原地帯です。現在では、その美しい花姿から観賞用として世界中に広がり、日本でも園芸店やホームセンターなどで手軽に入手できます。日当たりの良い場所を好み、比較的乾燥にも強いため、日本の気候にも適応しやすい植物と言えます。
形態的特徴
草丈と生育
シロバナユウゲショウの草丈は、一般的に20cmから40cm程度に成長します。株元から枝を広げるように伸び、地を這うように広がる性質もあります。地下茎で繁殖するため、一度定着すると徐々に株が広がり、一面に花を咲かせる景観を作り出すことがあります。
葉
葉は、細長く、縁にギザギザとした鋸歯があります。色は緑色で、株元に集まってロゼット状になることもあります。光沢はなく、やや毛羽立った質感を持つ場合もあります。葉の形や大きさは、生育環境によって多少変化が見られます。
花
シロバナユウゲショウの最大の特徴は、その美しい白色の花です。花弁は4枚で、直径は5cmから8cm程度と比較的大きく、中央には黄色い雄しべと雌しべがあります。花は、夕方になると開き始め、翌日の午前中にはしぼんでしまう一日花であることが多いですが、株数が多い場合や涼しい時期には日中も開花していることがあります。風に揺れる様子は、まるで白い絹のような優雅さがあります。
果実と種子
花が受粉すると、細長い形状の果実が形成されます。果実が熟すと裂けて、多数の小さな種子を放出します。種子でも繁殖しますが、地下茎による繁殖力も旺盛です。
栽培・管理方法
日当たりと場所
シロバナユウゲショウは、日当たりの良い場所を好みます。日照不足になると、花つきが悪くなったり、茎が徒長して倒れやすくなったりします。庭植えの場合は、日当たりの良い花壇や空き地などに植え付けるのが最適です。鉢植えの場合は、南向きの窓辺などが適しています。
用土
水はけの良い土壌を好みます。市販の草花用培養土に、鹿沼土やパーライトなどを少量混ぜて水はけを良くするのがおすすめです。庭植えの場合は、植え付ける場所の土壌改良として腐葉土などを混ぜ込み、水はけと通気性を高めましょう。
水やり
比較的乾燥に強く、過湿を嫌います。植え付け初期や、特に乾燥する時期には水やりが必要ですが、基本的には土の表面が乾いたらたっぷりと与える程度で十分です。庭植えの場合は、一度根付いてしまえば、雨水だけで十分な場合が多いです。鉢植えの場合は、土の乾き具合をよく観察し、水切れさせないように注意しましょう。
肥料
肥料は、それほど多く必要としません。植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を少量施す程度で十分です。生育期に葉の色が薄いなど、栄養不足が見られる場合は、薄めた液肥を月に1~2回程度与えることもありますが、与えすぎると葉ばかり茂って花つきが悪くなることがあるので注意が必要です。
植え付け・植え替え
植え付けの適期は、春(3月~5月)または秋(9月~10月)です。鉢植えの場合、生育旺盛で株が大きくなるため、1~2年に一度、一回り大きな鉢に植え替えるのが良いでしょう。株分けによる繁殖も可能です。
剪定・切り戻し
花が終わった茎は、見た目が悪くなるだけでなく、種子をつけさせてしまうため、こまめに切り戻すことで、株の充実を促し、秋にもう一度開花させることができます。また、伸びすぎた枝や、混み合った部分も適宜切り戻すことで、風通しを良くし、病害虫の予防にもつながります。
病害虫
比較的病害虫には強い方ですが、高温多湿の環境では、うどんこ病が発生することがあります。風通しを良くし、過湿を避けることで予防できます。ハダニが発生することもありますが、水やりで葉に水をかけることで、ある程度予防できます。
その他・楽しみ方
繁殖方法
シロバナユウゲショウは、主に地下茎によって繁殖します。そのため、一度植えると株が広がり、次第に一面を覆うように広がっていきます。株分けも容易で、春や秋に株を掘り起こして、地下茎ごと切り分けて植え付けることで増やすことができます。種子でも繁殖しますが、地下茎での広がりが顕著です。
利用方法
その清楚な白い花は、庭植え、鉢植え、そして切り花としても楽しめます。グランドカバーとして、斜面や空き地などに植えると、一面に広がる白い絨毯のような美しい景観を作り出します。他の草花との寄せ植えにも適しており、白い花が全体の印象を柔らかくしてくれます。
開花時期
主な開花時期は、春から初夏にかけて(5月~7月頃)ですが、夏の暑さが和らぐ秋(9月~10月頃)にも、切り戻しを適切に行うことで、再び花を咲かせることがあります。
注意点
シロバナユウゲショウは、地下茎の繁殖力が非常に強いため、意図しない場所に広がる可能性があります。庭植えにする場合は、周囲の植物を圧迫しないか、管理できる範囲に植えるなどの配慮が必要です。鉢植えにするか、定期的な株分けを行うなどの対策も有効です。
まとめ
シロバナユウゲショウは、その可憐な白い花と、比較的丈夫で育てやすいことから、庭やベランダで人気のある植物です。日当たりの良い場所と水はけの良い土壌を用意すれば、特別な手入れはあまり必要ありません。地下茎の繁殖力が旺盛なため、広がりすぎには注意が必要ですが、その広がりを活かしてグランドカバーとしても楽しむことができます。風に揺れる白い花は、見る人の心を和ませてくれるでしょう。
